一般社団法人福岡県病院薬剤師会 会長
九州大学病院 教授・薬剤部長
内田 まやこ
このたび、福岡県病院薬剤師会の第13代会長を拝命いたしました内田まやこでございます。
まずは、日々それぞれの医療現場において、薬物療法の適正化、医療安全、チーム医療、そして地域連携にご尽力されている会員の皆様に、心より感謝申し上げます。
現在、私たちを取り巻く医療環境は、大きな変革の時期を迎えております。新型コロナウイルス感染症の「5類」移行後も、感染症対応や医薬品供給への不安は続いており、さらに、高齢化の進行、地域間の医療格差の拡大、入院期間の短縮、在宅医療の推進など、医療の在り方そのものが急速に変化しています。このような中で、病院薬剤師に求められる役割も、より一層多様かつ高度化しています。薬物療法の専門家としての実践に加え、ポリファーマシーの是正や退院後支援といった「医療と生活をつなぐ」役割の重要性が増しており、がん、感染症、緩和ケアなどの専門領域においても、従来以上に深い関与が期待されています。
また、令和6年度からは「薬剤師確保計画」が本格的に始動いたしました。福岡県においても、都市部と周辺地域における人材分布や業務負担の格差が課題となっており、行政・教育機関・関係団体と連携しながら、薬剤師が働きやすい環境づくりと人材育成に取り組んでまいります。
「地域で働き続けたい」と思える職場づくり、「現場で力を発揮できる」研修や教育体制の整備は、これからの医療を支える基盤であり、薬剤師確保計画は国の方針であると同時に、私たち自身が主体的に実行していく“行動計画”でもあると考えております。
福岡県病院薬剤師会はこれまでも、研修会の開催、情報共有、行政との連携などを通じて、県内医療の質の向上に取り組んでまいりました。今後は、福岡県薬剤師会や福岡県行政との連携をさらに深め、病院・薬局・行政・教育機関など、多様な関係者と力を合わせて、福岡県全体における薬剤師の職能向上と、切れ目のない医療提供体制の構築を推進してまいります。
最後になりますが、これからの医療においては、患者さんを中心とした柔軟で協働的なケアがこれまで以上に求められています。私たち病院薬剤師も、専門性と倫理観をもって社会に貢献できるよう、互いに学び合い、支え合いながら歩んでいきたいと考えております。
本会は、これまでの約70年の歩みを経て、会員数2,200名を超える職能団体へと成長いたしました。今後もその歴史と実績を礎に、さらなる発展を目指してまいります。まだまだ力不足ではございますが、皆さまとともに福岡県病院薬剤師会をより一層盛り上げてまいります。今後とも、あたたかいご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年8月吉日