会長あいさつ

   

一般社団法人福岡県病院薬剤師会

会長 神村 英利

(福岡大学病院)

   

 福岡県病院薬剤師会は、1956年8月に福岡県薬剤師会の一部会として発足しました。当時の会員数は294名と記録されています。その後、1969年6月に独立し、2017年6月に一般社団法人に移行しました。現在までの約70年の歩みにより、会員数が2,000名を超える職能団体に成長しました。職能団体の役割としては会員の皆様への研修機会と情報の提供が大きなウエートを占めています。そこで、現在では広報委員会、研修委員会(学術部門、生涯研修部門、専門薬剤師認定部門:感染制御、オンコロジー、精神科薬物療法、周産期医療薬物療法)、医療安全対策・医薬情報委員会、病診薬連携・中小病院委員会、薬学教育委員会を設置して、タイムリーな研修会を企画して開催し、会誌やホームページを通じて情報を発信しています。

 近年、医師の働き方改革とも相俟って、病院薬剤師には医師等のタスクをシフト/シェアすることが求められるようになりました。これは、医師等でなくてもできる業務を病院薬剤師が担当することで、医師の負担軽減になるとともに、医療の安全性が向上するからです。また、第4期医療費適正化計画にはフォーミュラリの策定とバイオシミラーの数値目標が設定されます。さらには、リフィル処方箋が発行されるようになって、患者さんの「門前」から「地域」への移行が加速しています。そして、2025年を目途に地域包括ケアシステムが構築されますと、他院や薬局の薬剤師との連携が益々重要になっていきます。一方で、厚生労働省は卒後研修ガイドライン(案)を策定して、卒後臨床研修を効果的に実施するための調査検討事業を行っており、近い将来、多くの病院でガイドラインに沿った卒後研修を実施することになる模様です。しかしながら、病院薬剤師のマンパワーは限られていると思っていましたら、第8次医療計画には病院薬剤師の確保計画が盛り込まれることになりました。このことは、これからの医療には病院薬剤師が不可欠という国の意思表示と思われます。

 これらのことを背景にして、この数年で病院薬剤師の職場環境は激変すると思います。激動期ですが。会員の皆様が働きやすい職場環境を構築して、患者さんに有効で安全な薬物療法を提供していただけるように、できることから対応してまいります。