ごあいさつ
第69回福岡地区勤務薬剤師会総会で第9代(本会の前身である福岡市薬剤師会勤務部会からは通算第16代)会長に選任されました福岡大学病院の神村です。69年もの歴史を誇る福岡地区勤務薬剤師会で、元号が令和になって最初の会長を拝命しましたことを大変光栄に思いますとともに、とても身が引き締まる思いでもあります。本会の発展に尽力してまいりますが、行き届かない点が多々あることと思います。つきましては副会長、理事、委員並びに会員の先生方のご支援とご協力を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
さて、今後、地域包括ケアシステムが構築されるにつれて、患者は状態に応じて機能の異なる医療機関、施設、居宅を行き来するようになりますから、地域の医療職と介護職は、より一層連携していかなくてはならなくなります。既に病院薬剤師には患者の入院前から退院を見据えた薬学的管理が求められており、院内連携から地域連携へと仕事が広がっています。特に残薬対応やポリファーマシー対策は、医療費削減というより、有効かつ安全で最適な薬物療法を提供するという観点から、病院薬剤師と薬局薬剤師が連携して事に当たる必要があります。
また、最近はフォーミュラリーが注目されています。フォーミュラリーは標準的な薬物量を行うための推奨薬リストもしくはガイドラインで、医師の医薬品選択をサポートするためのツールです。これは薬剤部門で原案を作成し、院内もしくは地域で合意されて運用されるものです。これまで、薬剤師は先発医薬品とジェネリック医薬品を選択してきましたし、多職種連携の一翼を担ってきましたから、フォーミュラリーを策定し、運用していくキーパーソンには適任と思われます。
当会は学術例会や継続的研修会で知識のアップデートを行い、地区ごとの研修会で顔が見える関係を構築してきました。これらの事業は、会員が日常業務を行う上で重要なものですから継続します。一方、前会長の時から薬局薬剤師との連携事業を行ってきました。今後は他職種との連携事業に発展させていきたいと思っています。
時の流れで、求められるものは変わっていきます。歴代の会長が積み上げてきたものを大事にしつつ、それに更に新しい何かを積み上げていけたらと思います。
現時点で何ができるかは分かりませんが、会員の皆様におかれましては当会の事業に積極的にご参加いただき、見識を深め、人脈を広げていただけたら幸いです。
福岡地区勤務薬剤師会 会長 福岡大学病院 神村 英利